住宅の寿命をもう一度考えてみる
家の寿命はどれくらいなのか——。
住まいづくりに関わる人なら、一度は気になるテーマではないでしょうか。
日本では、法定耐用年数として「木造22年」「コンクリート造47年」という数字が示されています。
しかし、これはあくまで減価償却に用いられる“会計上の基準”に過ぎず、実際の住宅の寿命とは必ずしも一致しません。
2000年に「住宅品質確保促進法(品確法)」が施行されて以来、建築基準は大きく進化してきました。耐震性能や断熱性能など、多くの項目が見直され、現代の住宅は以前に比べてはるかに強く、長持ちするつくりになっています。
その結果、実際の耐用年数としては、
木造で約40年、コンクリート造なら80年以上 を期待できると言えるでしょう。
もちろん、どんな建物であっても「手入れ」が寿命を左右します。
定期的な点検や小まめなメンテナンスを行えば、家は確実に長生きしてくれます。
逆に放置すれば、丈夫な建物であっても早く傷んでしまうことは避けられません。
家は“建てた瞬間”ではなく、“住まい続ける時間”で価値が決まるもの。
丁寧に向き合い、上手に育てることで、その寿命は想像以上に伸びていくのです。

